こんにちわ!Sayabo54です。
サボテンの「接ぎ木」ってご存じですか?
細長いサボテンの先に丸いサボテンが乗っていたりするヤツなんですけど
若かりし頃、園芸店で見かけた時は、変わった形のサボテンだな~なんて思っていて一つのサボテンの品種なのだと勘違いしてました。(園芸あるある?😏)
そうなんです。あれは、サボテンの「接ぎ木」といって、「柱サボテン」という長いサボテンの頭をカットして別の丸いサボテンなどのお尻をつなげた状態なんです。
知らないと「変なサボテン!」としか見えないですよね?w(俺だけ?😅
今回は、このサボテンの接ぎ木に初めて挑戦してみます。
なぜ接ぎ木する?
そもそも何でサボテンを接ぎ木するの?
理由としては、いくつかあると思います。
丸いサボテンの品種の多くは、成長がとてもゆっくりです。中には、大きくなるのに数10年と時間が掛かる品種もあります。
一方で柱サボテンという細長いサボテンの中に比較的、成長が早い品種があります。
この成長の早いサボテンへ接ぎ木することで成長の遅い品種でも「成長を早める」ことができるようになります。
成長を早める以外に、傷んだサボテンを「再生」させる意味で接ぎ木する場合があります。
例えば、接がれる方のサボテンが根腐れなど傷みを起こした場合、「胴切り」といって傷んだ部分を切除して接ぎ木すれば再生が可能です。
品種改良を行う場合や病気の対策、矮化といって背丈を短くしたい時など様々な理由で「接ぎ木」をすることがあります。
それともう一つの理由に盆栽や花道にも通ずる?園芸での「表現」で接ぎ木する場合もあります。
サボテンへ接ぎ木について色々なご意見は、あるかと思います。
「サボテンは、接ぎ木をしないで共にゆっくりと成長を楽しむ」というご意見や「生物を切り貼りするのは、チョット…」という考えもあるかと思います。
「さやぼう」では、植物を大事に扱うことに変わりなく園芸の楽しみ方の一つとして考えています。
もちろん、接ぎ木をしないでゆっくり育てたいなと思った子は、何もしないで育ててます。😊
準備するモノ
道具と資材
- 消毒されたよく切れるナイフまたは、カミソリ
- 包帯
台木や穂木以外は、これだけです。
ナイフやカミソリは、取り扱いに注意して菌やウイルスの蔓延を防止するためにアルコールもしくは、火で炙るなどで必ず消毒しましょう。
包帯は、最後に接ぎ木したサボテンを固定するために使用します。
台木(だいぎ)
台木とは、接ぎ木の下部となり支える方の木のことです。
サボテンでの台木でよく使われているのは、竜神木、袖ヶ浦、ドラゴンフルーツ(三角柱)、三角袖、三稜柱などです。
それぞれ特徴があるので用途や時期などで使い分けが必要とのことです。
今回は、初めてなので一番扱いやすそうな「竜神木(Myrtillocactus geometrizans)」を使います。
竜神木は、棘(トゲ)も少ないので取り扱いが簡単です。
寒さには、やや弱いので冬季は、室内管理に移すか霜よけなどの対策が必要となります。
ちなみにわが家では、竜神木、袖ヶ浦、ドラゴンフルーツなどの柱サボテンがありますが冬季は、風よけ霜よけのみで外管理です。
多少、寒さで傷みますが10℃以下でも枯れることは、ありませんでした。
逆に暑すぎる(約35℃超え)のも成長が止まるそうなので室内管理などの対策が必要となります。
大きいサイズの竜神木は、成長が遅くなるとのことなので私は、台木の竜神木を15 ~ 25cm 位の長さになるように育てています。
ドラゴンフルーツなども大きいサイズのものは、芯の部分が硬くなるので扱いが困難になります。
根がちゃんと張るように半年前くらいから台木用に鉢で用意しました。
穂木(ほぎ)
穂木とは、いわゆる台木へ接ぐ方のことです。
穂木の品種は、特に決まりは、ありません。丸サボテン以外でも大丈夫ですし、台木と同じ品種でも問題ありません。
ただし、相性は、あるそうです。私は、相性についてよくわからないのですが皆さんでも色々と試してみてください。
仮に失敗しても別の台木で「再生」の可能性がありますので試す価値は、あるかと思われます。※人任せw
今回は、幼苗の「緋牡丹(Gymnocalycium mihanovichii)」を穂木として準備しました。
こちらの苗は、「緋牡丹」の実生の中から数株だけ「Day Dream」のような色で育っている「緋牡丹錦?(斑入り?)」です。w
接ぎ方
台木のカット
先の台木の頭の部分を消毒したナイフでカットします。
台木は、鉢の用土に根張りした状態のまま使用するのが無難かと思われます。
台木の根っこがないものや鉢から抜いてしまった状態ですと接ぎ木が終わってから台木の方へも体力がうばわれることが考えられます。
私は、素手で作業してしまうのですがサボテンの棘に注意してゴム手袋などで作業することをオススメします。
それでは、台木の用土から高さは、好みの位置で台木に対して水平になるようナイフでいっきにカットします。(最初は、緊張しました😖w)
ナイフで自分を切らないようにくれぐれも注意しておこなってください。
水平にカットしましたら写真のように台木の真ん中の白い部分を残すように切り口の周りを斜めにトリミングします。
カットした断面が乾くと凹んでくるのでその縮む分を計算しながら斜めに切り口を整えます。
台木の真ん中の白い部分のことを維管束(いかんそく)と言います。
維管束を通り栄養などが送られるのでこの部分は、水平のまま残してください。
維管束の周りをカットしていきます。
今時は、あまり経験がないかもしれませんが鉛筆を削るような角度が良いと思います。
穂木のカット
それでは、次に台木の切り口が乾く前に「穂木」もカットしましょう!
要領は、台木と同じなのですが、今度は、穂木となるサボテンの根っこ側(お尻側)を水平にナイフでカットします。
穂木側もカットした断面にある白い維管束の周りを斜めにトリミングします。
接ぎ木
維管束を通って栄養などが運ばれますので「接ぎ木」とは、維管束の結合と言い換えてもよいかもしれません。
台木の維管束(断面中心の白い部分)と穂木の維管束が重なるように合わせます。
維管束の大きさが異なる場合は、なるべく重なるようにずらしながら輪と輪を合わせます。
なので必ずしも中心にする必要は、ありません。
語弊があるかもしれないので、多少ずれても維管束がつながれば良いということです。
位置が決まりましたら、ズレないように適当な長さの包帯を伸ばしながら台木の棘にひっかけてバンドのように穂木を留めます。
包帯などで留めないで接ぐ方法(ただ乗せるだけ)もあるようですが、今回は、慎重に包帯で留めるようにしました。
後は、台木の維管束と穂木の維管束がうまくつながることを祈ります。😊
接ぎ木の可能性
接ぎ木は、サボテンに限らず野菜や果樹などでも接ぎ木がおこなわれています。
基本的には、同じ種属の方がつなぎやすいかと思われます。
楽しみ方も色々な可能性を感じます。
まれに別の遺伝子を合わせてキメラも生まれるそうです。
そうした人為的に作出された個体が自然界へ流出しないよう管理は、気を付けて取り扱いましょう!
以上です。
思っていたよりすんなりできました!?
その後の生長記録や逆に接ぎ木から穂木を降ろす方法などは、別の機会に報告させていただきます。
それでは、マタ😄